チャッケとおばさん
シルバーウィークの日高での話②
牧場時代、近所から通ってくるおばさんもいて、土地の人々と話すのは方言含めて文化交流のようなものがあって、楽しかった。
今も毎年のように顔を見に行くおばさんがいて、今年も会いにいきました。おばさんちにはチャッケという猫がいます。
チャッケは、8歳になる女の子。
生まれたばかりの頃、母猫とおばさんちの物置にいるところを発見されて、冬には母猫が病死してしまい、チャッケは北海道の厳冬を小さい体ひとつで乗り越えたのでした。
おばさんはとっても優しい人で、はじめはチャッケのこと「あらいやだよー」って言っていたけれど、そんなの口先だけだとわたしは思っていて、案の定そのうちにチャッケにゴハンあげはじめ、夜は家の中に入れるようになって、いつの間にかチャッケは大きな顔してリビングにドカンといるようになりました![]()
チャッケはFIV(+)であることがわかりましたが、毎日のびのびと暮らしています。
今年もおばさんとチャッケの顔見に行くよ、と事前に連絡を入れた時、おばさんは大病を患っていて、3月に心臓の弁を人工のものに取り替える大手術をしたと聞かされました。
1ヵ月半入院したそうです。
その間チャッケはどうしていたの?
息子に寝床を作ってもらいそこに埋まって毎日寝ていたと・・っておばさん。ゴハンもちゃんと食べていたそうです。
以前、怪我で1週間入院した時は、ゴハンもろくに食べずにおばさんの帰りを待っていたと聞いていたので、今回はチャッケも事情を理解したのだろうと思うと、いじらしくなりました。
心臓の手術は6時間くらいかかり、手術の後も、2~3日意識がなかったそうです。
わたしはそういう経験がないし、おばさんが今元気そうだから言えることなのですが、そんな時夢を見るとかするのか、聞いてみたんです。
するとおばさんは竜宮城を見た話をはじめました。
リボンちゃん、きれいな大きな竜宮城を見たよ。
キラキラしてねぇ、あんなきれいなのみたことないよ。
それからね、大きな蛇が出てきた。こーんなに大きいの。
だけどながーい尻尾はみえるんだけど、顔がないんだよ。
どうやっても顔が見えないんだよ。
そうしたら今度は天井に猫が現れたそうです。
白と黒の模様の猫が100匹くらい、天井にいっぱいいたそうです。
どこかにチャッケがいるんじゃないかと思って
チャッケー
チャッケー
って、チャッケを探すのだけど、
チャッケはいなかったそうです。
そこで目を覚ましたそうです。
そばにいた看護婦さんに、今夕方ですか。って聞いたら、
あらら、手術の日からもう2日もたっていますよ。
といって笑われたと、おばさんも明るく笑いました。
わたしはおばさんの話を聞きながら、鳥肌が立ち涙があふれそうになりました。
おばさんは今年80歳だそうです。
心臓の弁は15年は大丈夫だといわれたそうで、そうしたら95歳までは大丈夫だね、なんていって笑いました。
その頃にはチャッケも23歳になるんだね。
わたしも60歳はとうに過ぎているけどね![]()
まだ本調子じゃないけどおばさんは優しいから、
ごはん食べていけ、とかいろいろ気を使ってくださった。
外にいたチャッケを肩に乗せてきて、わたしに会わせてくれたりもした。
わたしは、さっきまでおばさんが横になっていたことを察していたので、馬が待っているからもう帰るわー、また来年も来るから覚悟していてね、などと半分憎まれ口をききながら、おばさんちを後にしました。
チャッケにはおばさんが、おばさんにはチャッケがついているから、大丈夫。
そんなことを考えながら。
2008年秋のエルプス
顔に差毛が目立っても元気だったのに・・
右がエルプス
放牧地にたたずむリボン








